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「行伝メソッド(こうでんめそっど)」とは、小生の日頃の試験勉強方法に対して、嘗ての司法書士試験受験生の同志が名付けてくれた方法です。
このページには特別な勉強方法が書いてあるわけではありません。ある程度の難関国公立大学と云われるところを突破した人(=センター試験で700点以上叩き出した人)の間では、寧ろ当たり前とされている方法ですらあります。もちろんこの方法は、あらゆる試験で有効であるとまでは言えません。ただ、語学関係の試験(特にTOEIC)と大学入試には極めて有効な方法である事は云えます。司法書士試験に対しては、小生は挫折したのでなんとも言えません。
この勉強法の特徴は、「徹底した過去問重視」にあります。丁寧な解説がついた過去問を用意して、
「問題文を読む」→「間髪をいれずに解答解説を読む」
端的に示せばこれだけです。司法書士試験でもTOEICでも同じです。TOEICの場合は過去問が公表されていませんので、TOEIC Friends等の信用の置ける書籍で代用します。ただ、これだけだと「メソッドの解説」にはならないので、司法書士試験に特化してもう少し詳しくやり方を書いていきます。
過去問集を用意できたら、何も考えずに解答を見て、問題文に正解を書き込みます。司法書士試験は択一問題なので、分厚い本でも一時間もあれば全て書き込めるはずです。ここで注意したいのは、「正しい文章を選べ」ではなくて「間違っている文章を選べ」の時です。法的に記述が正しいものには○、間違っているものには×をつけます。実はこれはかなり重要です。なぜなら、このメソッドの力点は「間違った知識を極力入れないようにする」点にあるからです。間違っている記述(たとえその選択肢が『正解』の選択肢であったとしても)に○がついていると、恰もそれが法的に正しい記述であるかのように錯覚してしまう恐れがあるからです。
「間違った知識が入ってしまう恐ろしさについて」
それが済めば、一問一問を丁寧に見ていきます。とはいっても、基本は同じで「問題文を見て解答を読む」だけです。この時、問題文に鉛筆で直接アンダーラインや斜線を引きます。参考情報も書き込みます。目安としては、二回目にその問題文を見た時に解説解答を読まなくてもいいくらい書き込みます。15分もあればできるはずで、それ以上時間がかかると云うことは「自分で考えている」ことに他なりません。15分で切り上げましょう、不足分は二回目に書き込めばいいのです。自分で考えることの怖さについては、上記の「間違った知識が入ってしまう恐ろしさについて」のリンクを読んで下さい。
一回目の書き込みでは三割程度の知識を蓄積できれば上々です。二回目にはそれが五割程度になるでしょう。二、三回目くらいまでは消しゴムがいるかもしれません。なぜなら、一回目に解説文を理解しきれず、間違った記述をしている可能性があるからです。
そして、およそ四、五回目からは他の教材は何もいらなくなります。移動中でも他の作業をしている時でも、ちょっとの暇さえあれば「問題を読みすすめる」ことができます。おそらく、この時点にもなれば一問あたり2,3分で読めるようになっているはずです。司法書士についてはおよそ1600題の過去問がありますが、「一時間に30題」読むことができるならば、50時間程度で全ての過去問に目を通せる事になります。繰り返せば繰り返す程、速くなります。
よくある誤解と質問への回答、補足説明
1.「過去問は過去に出た問題であって、二度と出ないのだから力を入れても仕方がないではないか」
→公教育の弊害を食らっている人は、地道に教科書や基本書を読んで勉強して下さい。小生は自分の勉強法を他人に押し付けるつもりはありません。
2.「なぜ問題を解いてはいけないのか」
→問題を解くためにはアタマを動かす必要があります。完璧な知識を持っているのならば過去問を解いても構いませんが、中途半端な知識で過去問に当たると、なまじ半端にわかっているだけに自分で考えようとしてしまいます。それで正解に至ればいいのですが、間違った場合、「間違った知識」がアタマに残ることになります。そして厄介なことに、「間違った知識の引き剥がし作業」は「新しい知識の定着作業」の三倍以上の時間と手間がかかります。いつまでもずっと受験生をしていたいのなら別ですが、早く合格したいのならば無駄な時間は極力廃すべきです。何より怖いのは「間違った知識を持ってしまっているのに、それに気付かずに試験会場に向かうこと」です。
3.「基本書や参考書を調べて自力で正解を導く手もある。それこそが勉強ではないか」
→「知識をつける」という点では間違っていないでしょう。しかしこのメソッドは「試験勉強」のためのメソッドであって、試験とは有限時間内にいかに「多くの」「正確な」知識を吸収できるかの勝負なのです。
4.「問題文に書き込むのに抵抗がある」
→問題文に鉛筆で書き込みをして、そのうえで10回以上回した段階で考えればいいと思います。知識が確固たるモノになったら、そのときにもう一冊同じ物を買えばいいのです。ただ、この時点になると一冊の問題集を解くのにそれ程時間がかかりませんので、書店の立ち読みで済ます手もあります。雑誌と違って、いつ行っても書店には同じ物が置いてあります。
5.「解説を読んでもわからない」
→当たり前の話です。反対に100%わからないということもあり得ないはずです。断片的な情報の吸収なら可能なはずです。その断片を少しずつでも大きくできるならば、ジグソーパズルのピースと同じように他の知識と結びつきやすくなります。全てのピースが結びついた時、それを理解と呼びます。